仮面ライダー響鬼(ヒビキ)の事情

そんなタイトルの内情本とくればまず途中のプロデューサー交代騒動を描いたのかと思いきや、それについては著者の人が直接関わってないためノータッチらしい。

以下、著者の人がゲスト出演したイベントに行ってきた人のレポをコピペ。
伝聞程度でしか伝わらなかったものが『事実』として世に出る点は大きいと思う。
東映から認可は下りなかったそうだが。
890 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:2007/04/05(木) 01:45:57 id:EB0ESvzD0
結構行った人多いのかなw

片岡氏は自分が企画立ち上げ〜クランクインまでしか携わっていないと説明。
スタッフの交代劇については伝聞でしか知らないとの事
(今度出版する本にもそのあたりの事は書いていない)
ただ作品を見ていた限りで判断すると
・自分が携わっていた時の設定は3〜4話時点ですでに違ってきて、
 10話で7、8割方消えてしまった。
 そして29話以降については完全に別ものになった印象。

・この構成ではいずれどこかで破綻は来るなと思っていた。
 高寺さんは、その手詰まりの回避に失敗した。

とのこと。


891 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:2007/04/05(木) 01:59:13 id:EB0ESvzD0
ブレイド主演役者のビデオ出演問題や平成ライダーもそろそろ
飽きられたという判断などがあり、ライダーでない作品で行こうとした。
石ノ森作品の中からリメイクする作品を選んでいった。
キカイダーギャバンという案もあったが、メカニカルなヒーローは
もう4、5年待った方が良いものが出来ると高寺氏が判断。
片岡氏の提案した「変身忍者 嵐」という案に決まった。

コンセプトは最初は教育問題、社会問題について話し合うことから始まった。
クウガは正義そのものよりも悪(悪意ではなく、悪)を描くことで
正義を描いた作品。白倉作品は、正義・悪とヒーロー性を別物としている。
響鬼では「正義とは○○だ!」と叫ぶのではなく、正義を
「当たり前のもの」として描くことにした。

(ここで、版権の問題で本には載せられないという絵が数点表示された)
当初は和風に限定せず世界的な作品にしようと思っていたので
オセアニア、ヨーロッパ、ブラジル出身の戦士などもデザインしていた。
武器もバイオリン型のボウガン、案ではオルガンなどもあった。


892 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:2007/04/05(木) 02:11:21 id:EB0ESvzD0
ヒーローや玩具のデザインはほぼ東映(PLEX)が全部やっている。
最初は音叉が変形して額にくっつくという案もあったが、
玩具で再現できないためボツに。

今よりもっと生物的な響鬼のデザイン画には「ウルトラマンノア」や
「SICのアマゾン」などの単語も見受けられた。
あまり生っぽいと怖いデザインになってしまうということでボツ。

スポンサーの一声で突然仮面ライダーシリーズにすることになったが、
移行するにあたって、致命的におかしくなる部分がなかった。
結局、自分達は石ノ森先生の手の平の上に居たと苦笑。
ただし、音をコンセプトにする以上「バイクに乗る」という行為は
騒音に結びつくので避けたかった。
「何かに”ライド”すればいいんだろ!?」というわけで
ディスクアニマルに乗る響鬼も提案されたが、これは
玩具で規格を合わせるのが難しいという問題からボツに。


893 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:2007/04/05(木) 02:17:22 id:EB0ESvzD0
ヒーロー番組がおもちゃの販促番組になっているという批判があり、
それは確かにそういう面もある。
だが子供がおもちゃを求めるのは当然であり、作劇上は辛くなるが、
子供が楽しめるおもちゃを提供しようとするバンダイの姿勢は
企業として正しい。
そもそも、PLEXのデザインなくしては番組制作が成り立たないし、
素人目には何処が違うのかわからないほどデザインのやり直しを
繰り返している。とても丁寧な仕事をしている。

響鬼の敵が巨大になったのは、等身大だとバチで殴るのが
卑怯っぽく見えてしまうから。
しかし巨大な着ぐるみは格闘に不向き、CGだと3〜4倍はお金がかかる。
そこで二話構成にして童子と姫を出すことにした。


894 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:2007/04/05(木) 02:26:56 id:EB0ESvzD0
響鬼の最大の問題は、自分と高寺さんが同じ「ジュブナイル」という言葉を
使いながらも全く違う解釈をしていたこと。
高寺さんはジュブナイルを「学園もの」と考えていた。
自分は「非日常を通して少年が成長し、いずれ別れを経験する物語」と
考えていた。そのため、当初は
「最終話で新たな敵に響鬼が倒されて死亡。
 明日夢が音叉で変身したところで幕」
(評判がよければ次回作へ続く)というラストを考えていた。

しかし現行作品では明日夢響鬼と共に戦うことがなく、
非日常を通して成長できなかった。
学校でうじうじと悩むだけの「いらない子」になってしまった。
これが、自分が作品を見ていて「構造的な手詰まり」を感じたところ。

4/25日発売の本には1・2話の準備稿、決定稿、放映作品の分析を
載せているが、第2話には「プロならば絶対にやらないはずのミス」がある。
それがどこかは本が出るまで考えていて欲しい。


895 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:2007/04/05(木) 02:34:09 id:EB0ESvzD0
以上 レポ終わり。

話を聞く限り片岡氏は前半響鬼とか後半響鬼という括りではなく
「企画段階での響鬼」の話をしていた印象だった。
しかし第二話の致命的なミスってなんだろ…?